私はある人に誘われ、新月の夜に寂れた日本家屋を訪れた。
「百物語の宴を執り行いたい」
21世紀もだいぶ過ぎた今、酔狂なことだと思ったが、
何が起きるのか興味があり参加することにしたのだ。

百物語は古来より行われてきた怪談遊びであり、降霊術の一つ。
百の火を灯し、参加者が怪談を一つ話すごとに、蝋燭の火を消していく。
九十九話まで話し終えたら、百話目は話さず朝を待つ。
全ての火が消えてしまうと、本物の怪異が現われる…。

話す怪談話を持ち合わせていなかった私は、
いくつかの候補の中から代読してもらう話を選んだ。
題名のみで内容は分からないが、怪しげなものばかり…。

伝える手
分身
肖像画
決め物件
三本枝
侵入者
幻肢
日の母
捏造
二冊の本
ブアメードの血
両親への手紙
九号:身代わりの女
九号:囚われの男

話が始まり、その語りぶりから私はこの宴がただの遊びでないことに気づいた。
何が、目的なのだ?
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